かってに漫画レビュー

漫画を勝手に分析したり考察したりして感想を書いていく予定です。

【漫画レビュー】俺だけレベルアップな件 1巻

出典:俺だけレベルアップな件 1巻より

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作品名:俺だけレベルアップな件

作:DUBU(REDICE STUDIO) ・ Chugong

出版社:piccomics

ジャンル:少年マンガ

ebookjapan 第1巻 紹介文より

十数年前、異次元と現世界を結ぶ通路”ゲート”というものが現れてからハンターと呼ばれる覚醒者たちが出現した。 ハンターはゲート内のダンジョンに潜むモンスターを倒し対価を得る人たちだ。しかし全てのハンターが強者とは限らない。 人類最弱兵器と呼ばれるE級ハンター「水篠 旬」 母親の病院代を稼ぐため嫌々ながらハンターを続けている。 ある日、D級ダンジョンに隠された高難易度の二重ダンジョンに遭遇した「旬」は死の直前に特別な能力を授かる。 「旬」にだけ見えるデイリークエストウィンドウ…!? 「旬」ひとりだけが知ってるレベルアップの秘密… 毎日届くクエストをクリアし、モンスターを倒せばレベルアップする…!? 果たして「旬」ひとりのレベルアップはどこまで続くのかーー!!

「韓国版なろう漫画」といった感じの作品です。
実はこれ系の漫画はいくつか読んでいるのですが、レベルの高い作品が結構あります。
その中でもこの漫画は特に好きな方で、既に結構先まで読んでいます。
ただ今回は、今ebookjapanで無料で読める1巻部分だけのレビューをしてみたいと思います。

 

登場人物

出典:俺だけレベルアップな件 1巻より

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水篠 旬(みずしの しゅん)
主人公。E級ハンター。
ハンター協会に属するハンターの中で最下級かつ最弱のハンター。

 

出典:俺だけレベルアップな件 1巻より

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観月(みづき)
B級回復系ハンター。ヒーラー。
ランクは高いものの、精神面で弱さがあるため難易度の低いレイドにしか参加できない。

 

出典:俺だけレベルアップな件 1巻より

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馬渕(まぶち)
C級ハンター。

 

あらすじ&レビュー

主人公と「ハンター」について

日本の「なろう漫画」でもそこそこありますが、現代を舞台にした「冒険者ギルド物」です。
この漫画では「冒険者ギルド」ではなく「ハンター協会」。
主人公たちも「冒険者」ではなく「ハンター」と呼ばれています。
そんな中で主人公の「水篠 旬」は「人類最弱兵器」と呼ばれるような弱くて有名なE級ハンターです。
そんな状態なので、周りからはバカにされますし、何度も死にかけてます。
それでもハンターを続けているのは、母親の病院代を稼ぐため、という苦労人です。

わかりやすいキャラ設定です。「最弱」ですからね。
異世界召喚モノ」だとできない(やろうと思えばできますが)「家族のため」という動機もかなり好感度アップです。
ちなみに「最弱」とされていますが、「一般人よりは強い」という設定です。

出典:俺だけレベルアップな件 1巻より

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「ハンター」に2つの意味があるのはこれで正しいのか、原作か翻訳のミスなのか、どうなんでしょうね。まぁ大した問題ではないと思いますが。
個々の能力は「覚醒」によるところが大きく、主人公が弱いのは決して「努力不足だから」ではないのもいいですね。「努力しても報われない主人公」設定も好感度アップ要素です。
そんな苦労人な主人公の言動ですが、弱くてバカにされてるのを認めたうえで「気にしてないですよ~」的な態度をとっているのが、妙にリアリティがあって上手く描かれていると思います。

出典:俺だけレベルアップな件 1巻より

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バカにされて「はい…ハハッ」「は~い…」からの、一人になったタイミングで「今日こそは俺もやってやる!」という決意を口にするのは、何気に良い表現だと思います。応援したくなりますね。

 

「ダンジョン」と「レイド」

ハンターは、ダンジョンに潜ってモンスターを倒すのが仕事で、そのことを「レイド」と呼んでいます。
レイドの難易度に応じて、ハンター協会がハンターを選ぶのですが、「最弱」の主人公が呼ばれるのは難易度が低いレイドのはずでした。
しかし今回は、ダンジョンの中にダンジョンがある珍しい「二重ダンジョン」となっており、おそらくイレギュラーな状態だと思われます。
本来はハンター協会に報告して指示を待つべきでしたが、パーティーの多数決により進むことになりました。嫌な予感しかしません。

出典:俺だけレベルアップな件 1巻より

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見事なフラグまで立ててしまいました。さぁどうなるでしょうか。

 

ボスの部屋

「ボスの部屋」に辿り着きましたが、扉のある珍しい部屋で、「こんな部屋は見たことがない」そうです。
「なんか…やばそう」ですが「ここまで来て手ぶらで帰るわけにはいかない」ので、「経験豊富」な馬渕さんを信じて「いっちょやってやるか」という、恐ろしいフラグを立てまくった状態で部屋に入っていきます。

で、大方の予想通りかなりヤバい展開になるわけですが、単純に強い敵と戦うという状況ではなく、謎を解かないと死ぬという状況です。
なので「最弱」の主人公も活躍できるわけですね。
ただ、謎を解くのにじっくり考える余裕があるわけではなく、仲間たちが次々と殺されていくので、かなり緊迫感はあります。

出典:俺だけレベルアップな件 1巻より

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そして、絶望の中で第1巻は終了となります。

 

総評と今後

1巻終了時点で、オープニングの途中といった進行具合です。
主人公はまだほとんど活躍していませんし、タイトルの「俺だけレベルアップ」もしてないです。
なので残念ながら、1巻のレビューでは、この漫画の面白さはほとんどレビューできません。
ここから助かった後「主人公だけレベルアップ」していくことになりますが、本編はそこからで、面白くなっていくのもそこからですね。
たぶん2巻の後半からといったところでしょうか。

主人公のキャラクターはだいぶ好きです。
家族のために頑張る苦労人で、努力はしてるんですがなかなか報われません。
性格に関しても「丁度いい」感じです。
一般常識はちゃんと備わっていて、礼儀もちゃんとしてます。
単なる好みですが、一人称が「ボク」じゃなくて「俺」なのもいいです。

それから、ずっと先まではどうなるかわかりませんが「ハーレム要素」はなさそうです。少なくとも今読んでるところまではその気配はほとんどありません。
それも個人的には好感度高いです。
ちなみに、この漫画だけじゃなく他の「韓国版なろう漫画」もハーレム展開はあんまりないので、韓国ではそういうの人気ないのかもしれないですね。日本はなんなんでしょう。。。

画力はめちゃめちゃ高いですね。
Webマンガやアニメーションを作っている会社が制作してるらしいので、全編フルカラーですし、このクオリティなのも納得です。
日本の漫画家も大物さんのところは、大勢のアシスタントがいて会社みたいになってるようですが、漫画もどんどん個人じゃなくチームとして制作していくようになっていくんでしょうかね。

 

今回は1巻だけのレビューとなりましたが、この先、私が読んでいる限りでは、1巻よりも2巻、2巻よりも3巻、3巻よりも4巻、というふうに面白くなっていきます。
普通のコミックスと比べて値段は高めですが、全編フルカラーですし、韓国語を日本語に直したり、モバイル向けに描かれたものをコミックスの形にするのにもお金がかかるのでしょうがないんでしょうね。
ただ1コマ1コマが大きいからか、アクションシーンが多いからか、1冊に掲載されるエピソード量が少ない気がしますので、面白くなくなったらすぐに切ることになるかもしれないですね。