【漫画レビュー】異世界チートサバイバル飯 1巻
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
作品名:異世界チートサバイバル飯
著者:山田モジ美 原作:赤石赫々 キャラクター原案:東西
連載誌/レーベル:MFC
出版社:KADOKAWA
ジャンル:青年マンガ
ebookjapan紹介文より
なろう系漫画です。
なろう系漫画は、イライラしてしまうことも多いのですが、ついつい見てしまうんですよねぇ。
この作品もebookjapanにて1巻だけ無料だったので読みました。
ツッコミだらけのレビューになるかと思いますが、「愛ゆえに」だと思ってご容赦ください。
登場人物
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
上総 悠(かずさ ゆう)
「食」と「アウトドア」を愛すること以外は普通の高校生だそうです。
もちろん異世界転移したのでチート能力を手に入れます。
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
クララ
治癒魔法が使える少女です。
薬草をさがしているうちに遭難したそうです。
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
カティア=フィロワ
ロリ少女に見えますが、19歳の神殿騎士だそうです。
ドラゴンの調査をしているうちに遭難したそうです。
あらすじ&レビュー
第1話:見知らぬ森
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
最近のナローシュ(なろう系漫画の主人公)はとにかく理解が早いです。
そして、残された家族のことは顧みず大喜びします。
もうここらへんはお決まりパターンなのでツッコんでもしょうがないレベルですね。
そんなこんなであっという間に異世界に適応した主人公は、アウトドア好きということもあって、森の中で食料と寝床を確保します。
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
原始時代にタイムスリップした漫画「創生のタイガ」では、肉食動物に怯えて岩の隙間や木の上で夜を明かしたりしていましたが、何がいるかわからない異世界でこの余裕はさすがナローシュといったところです。
そして異世界初の食事はザリガニっぽい何かです。
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
どういう仕組みなのかわかりませんが、食べるときは普通のエビみたいに食べれました。
そしてここで主人公は「毒があるかどうかを感知する能力」が身についていることに気付きます。
他のなろう系漫画と比べるとメチャクチャ地味な能力ですが、この漫画の趣旨を考えればかなり都合がいい能力ですね。
そしてどうやら主人公は、「町を探す」とかそういうことは考えず、このままキャンプ生活を続けることを決意します。
エビとザリガニの違いは?
さて、この話を読んで「主人公が食べたのはエビなの?ザリガニなの?」と疑問に思ったのでネットで調べてみました。
なかなかわかりづらかったのですが、どうもエビという括りの中にザリガニ下目という種類がいるようです。
つまり、ザリガニはエビの一種ということみたいです。
ただこれは生物学上の話なので、一般的には大きなハサミを持つものをザリガニ、そうでないものをエビと呼んでるみたいですね。
まぁ手長エビみたいなのもいますが、そこは説明がめんどくさいので割愛します。
ちなみにロブスターはハサミも大きいですし、れっきとしたザリガニだそうです。
第2話:クララ
さて、異世界2日目の主人公は、崖に生えた木の実を採ろうと崖をよじ登りますが、手が滑って落下します。
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
しかしなんかすげぇ硬いオーラが出て無事でした。
普通に考えれば「異世界転移した時に、身を守るオーラを出す能力も身に付いてたのかな」と思うだろうと思うのですが、「食べた生き物の能力を奪える能力」と理解することができました。
前日に食べたエビがなんかすげぇ硬かったので(オーラではなかったと思うのですが)その能力を手に入れていたようです。
そして異世界サバイバル生活5日目。
色々省きますがケガをした女の子「クララ」を助けます。まぁ「なろう漫画」あるあるですね。
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
山を越えて薬草を探しに来たところ遭難したらしいですが、山をなめるなと言いたくなる露出度の高さです。
足を骨折して、治癒の魔法を使っても歩けるようになるまで3週間くらいかかるそうなので、一緒にキャンプ生活をすることになりました。
第3話:山の幸
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
だいぶ人間離れしてきたと思いますが、「美味いメシ食ってるからかな?」とのことです。まぁ実際、食べた生き物の能力を奪えるのでそういうことなんでしょう。
そんな感じで食材を集めてきましたが、その中に貴重な葉っぱがありました。
マナハーブといって、4枚で半年くらいは家族で生活できるくらい貴重らしいです。
日本円で計算すると、安く見積もっても1枚2~30万円くらいでしょうか。
それを「煮詰めてシロップにしたら美味しいだろうな」と主人公。
ヒロインは「もったいなさすぎてなかなかできないだろうけど」と。
主人公は「地球とこの世界のズレはやがて山を下りたあとに大きな障害になるだろう」と考えますが、ぶっちゃけヒロインの方の感覚のほうが地球でも一般的だと思います。
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
まぁとにかく、そんなこんなで異世界のことを教わることにした主人公ですが、ついでに魔法も教わります。
ちなみに異世界にも関わらず会話をすることができていたのは「翻訳」の魔法を使っていたからなのですが、
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
「翻訳」は魂の一番外側、外に出しちゃうような言葉の部分をちょっとズラしてるだけだから、魔力の消費はあってないようなものなんだ
何回考えてもよくわかりませんでしたが、そもそも魔法ですから考えてもしょうがないですね。
第4話:山の主
サバイバル生活9日目(たぶん)にして、ようやく大型の獣に襲われることになりました。
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
鹿っぽい外見ですが歯を見るとちゃんと肉食のようです。
森で生息するには角がメチャクチャ邪魔なように感じますが、地球の鹿もたまに樹木に角が刺さって抜けなくなり、餓死することもあるみたいですね。
そんな鹿っぽい獣に襲われた主人公は、「硬質化」の能力を使いながら、ヒラリヒラリと突進をかわします。
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
方向転換してる隙に反撃できそうに見えますが、距離をとられてるためできないそうです。
さらに鹿っぽい獣も「チャージ」とかいうなんかスゴイ突進をしてくるわ、ようやく隙をついて反撃しても、自作していた石斧は全く効かず壊れてしまうわで、絶体絶命のピンチになります。
しかし、突如現れた少女が投げ寄こしたドデカい剣を使い、一撃で倒すことができました。
実際に鹿に襲われたらどうする?
この話を読んでいて、「実際にこんなふうに鹿の突進を避けられるの?」と疑問に思ったので、ネットで調べてみました。
調べた限り地球の鹿の場合は、かわした瞬間に方向転換してくると考えた方がよく、この漫画のように避け続けることは無理そうです。
鹿が少し方向転換しただけで、横に広がった角に刺されることになるでしょうね。
また、人間の3倍の速さで走れるそうなので、背中を見せて逃げることも無理だそうです。
正解は、障害物を利用しつつ鹿の方を向いたまま高い所(木など)に逃げる、とのことです。
皆さん、鹿に襲われたときはそうしてください。
第5話:カティア
山の主を焼肉にして食します。
どうやら魔力をたくさん持った強い魔物ほど美味しいようです。
美味い食材を求めて魔物を倒す、架空世界のグルメ漫画「トリコ」のような展開になっていくのでしょうか。
さらに、強い魔物を食べればその能力を奪えるので一石二鳥です。
今のところ期待薄ですが、今後「トリコ」をパク参考にしていけば面白いことになるかもしれないですね。
さて、前回戦闘中に剣を投げ寄こしてくれた少女ですが、カティア=フィロワという神殿騎士で、騎士団の命令で一人でドラゴンの調査をしていたそうです。
出典:異世界チートサバイバル飯 1巻より
クララほど露出はありませんが、山をなめるなと言いたくなるようなヒラヒラした格好で、案の定、遭難していました。
そして案の定、一緒にキャンプ生活をすることになりました。
この短期間(9日くらい?)で2人の遭難者(女の子)を助けて、一緒に生活することになったわけですが、無欲の主人公がナチュラルにハーレムを作っていくのは「なろう漫画」あるあるですね。
総評と今後
他の「なろう漫画」と比べると、それほど不快感指数は高くないと思います。
ただその分、いい意味での刺激も少ないかな、という感じです。
主人公がマトモなのと、人間の敵(イヤなヤツ)がまだ出てきてないことがその理由でしょうね。
設定など、面白くなる余地は十分にあると思います。
オリジナリティ溢れるぶっ飛んだ食べ物を出したり、苦戦しながらも徐々に強くなっていくバトル展開を丁寧に描けば。
ただ、1巻の段階では食べてるのが魔物というだけで、結局はただの肉や魚介類などを煮たり焼いたりしているだけにしか見えないです。
グルメ要素では「トリコ」や「ダンジョン飯」のオリジナリティには及ばず。
バトル要素に関しても、いきなりドラゴンを倒して、いきなり強くなって、あとは俺ツエーを繰り返す展開が目に浮かびます。違ったらすいません。
まぁ、現代日本の食事を紹介して「おいしー。こんなの食べたことない(はーと」や、魔物を食べたら能力を手に入れて強くなるという「なろう漫画」のよくあるやつがウリだと思うので、そういうのがまだ好きっていう人はいいんじゃないでしょうか。