かってに漫画レビュー

漫画を勝手に分析したり考察したりして感想を書いていく予定です。

【漫画レビュー】賢者の孫 1巻

出典:賢者の孫 1巻より

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作品名:賢者の孫

原作:吉岡剛 漫画:緒方俊輔 キャラクター原案:菊池政治

連載誌/レーベル:角川コミックス・エース

出版社:KADOKAWA

ジャンル:少年マンガ

ebookjapan 紹介文より

事故で死んだはずの青年が、赤ん坊の姿で異世界に転生。そして救国の英雄「賢者」マーリン・ウォルフォードに拾われた彼は、シンと名付けられる。孫として育てられたシンはマーリンから魔法を教わるが、その習得速度は驚くべきもので、メキメキと力をつけていく。一方、山奥で世間から隔離されて育った弊害として、シンには一つ致命的な問題があった…。そう、シンが15歳となった時に祖父・マーリンは言ったのだ――「常識を教えるの忘れとった」! かくして常識と友達を得るためアールスハイド高等魔法学院に入学するシンだったが――。《規格外》な少年の型破り異世界ファンタジーライフ、ここに開幕!!

「なろう漫画」の中でもかなり有名な漫画ですよね。良くも悪くも
私も既にだいぶ先まで読んであるのですが、
ebookjapanで1巻だけ無料で読めたので、改めて1巻だけのレビューをしたいと思います。

 

登場人物

出典:賢者の孫 1巻より

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シン・ウォルフォード
主人公。「またオレ何かやっちゃいました?」系主人公その人です。

出典:賢者の孫 1巻より

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賢者マーリン・ウォルフォード
赤ん坊の主人公を拾って孫として育てました。

出典:賢者の孫 1巻より

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シシリー
ヒロイン。チョロすぎヒロインです。
無自覚(?)に主人公への好き好きアピールをしまくります。
「あれ?またワタシ何かやっちゃいました?」という心の声が聞こえてきそうなシーンがたくさん出てきます。

 

あらすじ&レビュー

第0話:異世界転生

会社員の主人公は交通事故で死んで、異世界に転生しました。
ですが、転生先の家族が魔物に襲われて全滅したようで、生き残った赤ん坊の主人公だけが、通りすがりの賢者に拾われて育てられることになりました。

テンプレ通りの異世界転生モノですが、最近ではよく省略される転生前の主人公が描かれています。
なんですが、この漫画、あんまり異世界転生要素はありません。
それよりも、強い人に育てられたので無自覚でメチャ強キャラになった主人公というテンプレの方が影響力が強いです。タイトルもそれですし
まぁ漢字を利用するとかしてるので、全く異世界転生要素がないわけではないのですが、「世界が違うとは言え、なぜ会社員まで経験した主人公がこんなに世間知らずなんだよ」というツッコミが読者からされまくっています。
なので、あんまり違いはないかもしれませんが、「会社員じゃなくせめて高校生くらいにしとけばよかったのに」と思うところです。
まぁ大人だったはずの主人公が転生後幼児化するっていうのは「なろう漫画」ではよく見るヤツですけどね。

 

第1話

賢者に育てられたので強くなりました。
さらに賢者の知り合いから魔道具の作り方を教わり、更に別の知り合いから武術の訓練も受けてました。
ただし、常識を教わるのは忘れていたようです。

「なろう漫画」ではよくある、強い人に子供の頃から鍛えられたので強くなったという展開ですね。
実際はそんなうまいこといくわけないとは思いますが、まぁ導入部分としての理屈付けとしては別にいいかと思います。このレベルにツッコみだしたらキリがないです
そんなこんなで10歳の頃には一人で魔物を瞬殺できるほどに強くなりました。
魔法自体も強いんですが、魔道具作りに漢字を利用してるのが特徴かなと思います。
魔法を付与するための文字数には制限があるようで、例えば英語だと「fly」で3文字のところ、漢字だと「飛」の1文字で済む、みたいな感じで有利っぽいです。
「そんな簡単なことでそんなに有利になるなら、魔法使いオリジナルの文字でも作っとけよ異世界人」とは思うのですが、まぁここも余計なツッコミですね。

それから、強い人に子供の頃から鍛えられたので強くなったという展開によくある設定として、世間の常識を知らず、自分が強い自覚もない、というヤツがこの漫画でもあります。
この主人公の場合、別の世界とは言え、一応成人まで育ってた経験があるので、「考えりゃわかるだろ」という要素はより強いはずなのですが。。。
よくネタにされる「またオレ何かやっちゃいました?」がこの主人公です。

出典:賢者の孫 1巻より

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「…あれ?どしたの皆?」
このレベルの魔法を誰でも使えると本当に思ってるのか?というレベルの魔法を見せた後のこのセリフです。煽ってるとしか思えません。憎たらしいです

 

第2話

世間知らずの主人公は、王様の勧めで王都にある高等魔法学院に入学することにしました。
で、王都に引っ越した当日、町をブラブラしていると女の子達がガラの悪い連中に絡まれていたので助けました。

賢者に育てられたというメリットは、「強くなった」の他に、「王様やらとコネクションがある」ということもありました。
完全に人生イージーモードです。とは言え、強さだけでも十分イージーモードなのですが
王都で済む家もこんな感じです。

出典:賢者の孫 1巻より

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「前世でも悪い事しないと住めない系の家だ」
どういう認識なんでしょう。

で、王都ではガラの悪い連中に絡まれてるヒロインを助けるというテンプレイベントが起きます。

出典:賢者の孫 1巻より

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「女の子まで狩っちゃったら悪人だよ?」
このセリフでブチギレるコイツラは悪人の自覚がなかったんでしょうか。

出典:賢者の孫 1巻より

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「あれ!?受け身取らないの!?死んでないよね?」
1人目を倒して、このリアクションを取ったあとに、さらに危険な投げ技をします。
もちろん全員倒したあとも無事かどうかの確認はしません。
そんなことよりも女の子の方が気になりますからね。

出典:賢者の孫 1巻より

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悪漢どもを倒す時はずっとすまし顔だったのですが突然のこの表情です。
何事かと思ったら女の子がカワイすぎましたなんだそりゃ

 

第3話

ヒロイン

助けた女の子の一人が相当かわいかったらしく見惚れてしまいました。
その後カフェで自己紹介をしますが、偶然同じ学校の入試を受けるようです。

王都に来た当日に偶然出くわしたトラブルから助けた女の子は、偶然同い年で同じ学校に入るようです。主人公は一目惚れするのですが、向こうも主人公に一目惚れしたようです。まぁなろう界隈ではよくある偶然ですね

出典:賢者の孫 1巻より

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しかし「なろう漫画」では珍しくハーレム展開にもならずに一途な恋愛をするんですが、にも係わらずやたらと癪に障るんですよねこのカップル。

 

入学試験

入学試験直前、トラブルが発生しかけますが王子が間に入って何事もなく済みました。
試験の方は、筆記試験は何事もなく終わり、魔法の実技試験でまたいつものやつをやっちゃいました。
当然結果は首席合格です。

「英雄の孫って事ですでに注目されてそうだし…目立ちたくはないけど」
と考えていた主人公ですが、

出典:賢者の孫 1巻より

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肩を掴まれただけでこの反撃です。
ナローシュ(なろう漫画の主人公)の「目立ちたくない」はホント信用できないです。

で、実技試験の方はこんな感じでした。

出典:賢者の孫 1巻より

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はいはい

 

総評と今後

主人公がいちいち癪に障ります。
特に何がっていうポイントがないところでも癪に障るので、人をイラつかせる才能がモノスゴいんだと思います。
まぁでも話自体は俺TUEEEの王道で、普通に楽しめるかなと思います。
色々ネタにされる今作品ですが、なんだかんだで「なろう漫画」の中にはもっともっとツッコミどころの多い作品があるので、結構マシな方なんじゃないですかね。