【漫画レビュー】いちげき 1巻
出典:いちげき 1巻より
作品名:いちげき
連載誌/レーベル:コミック乱
出版社:リイド社
ebookjapan紹介文より時は幕末……… 大政奉還後、江戸幕府との武力決着を望む薩摩藩は幕府を挑発すべく、江戸にたむろする浪士たちをかき集めて「御用盗」なる武装集団を結成、「攘夷のための資金提供」を名目に夜な夜な江戸の商家を襲わせていた。そのころ、江戸近郊の村々から百姓たちを集めた「選抜試験」が行われ各村から力自慢で有名な猛者たちが終結していた。選抜試験を仕切る侍たちの狙いは? 選抜試験後に待っているものは?
幕末の江戸を舞台にした漫画です。
新選組が京都で活躍していた頃ですね多分。
歴史上の人物も登場してくるので、幕末に興味がある人は特に楽しめると思います。
どのくらい史実に忠実かは私の知識ではわかりませんが。
まぁ漫画としても物凄くオススメなので、現時点で既に6巻まで発売されていますが、紹介として第1巻をレビューしたいと思います。
登場人物
出典:いちげき 1巻より
丑五郎(うしごろう)
百姓。体は小さいが、選抜試験に合格できるほどに力はあり、百姓にしてはズバ抜けて頭がいい。
出典:いちげき 1巻より
米吉(よねきち)
百姓。丑五郎の弟分。体が大きく力も強い。
出典:いちげき 1巻より
島田幸之介(しまだこうのすけ)
新撰組隊士だが隊を脱走したことになっている。百姓たちの指導役。常にやる気なさげな表情をしているが、メチャクチャ強い。そのギャップが素敵。
1巻のあらすじとレビュー
百姓が幕末の江戸で活躍する物語?
出典:いちげき 1巻より
幕末、江戸市中の風紀を乱し
藩士たちに徒党を組ませ
強盗や放火、辻斬りなどのテロ行為を実行させた
この集団を江戸市民は「御用盗」と呼び恐れおののいた
いやぁ、西郷どん、悪い奴だったんですねぇ。
まぁそんな「御用盗」に対抗するために百姓たちが集められます。
出典:いちげき 1巻より
いい面構えですね。
この漫画、割と絵で笑わせにくるんですよね。高い画力でこれは卑怯です。
主人公はそんな中でもひときわ小さいが頭がいい「丑五郎(うしごろう)」という男です。
出典:いちげき 1巻より
機転を利かせ選抜試験を合格した後、戦闘訓練を受け、「一撃必殺隊」の隊士、つまり侍となります。
取り仕切るのは「島田幸之介」という侍ですが、この島田がクールで強くて容赦なくてカッコイイです。
出典:いちげき 1巻より
これは言うことを聞かなかった百姓を手打ちにしたシーンの一部です。周りはドン引きです。
丑五郎はそんな島田に目をかけられます。
そして初陣では、ビビった仲間にかわって切り込み役を買って出ます。
この時の丑五郎の心理描写が見事です。
出典:いちげき 1巻より
続きは是非自分でお読みください。
それから戦闘シーン(というか虐殺シーン)も素晴らしいです。
出典:いちげき 1巻より
とにかくスパスパと人が斬られポンポンと肉片が飛び散りガンガン人が死にます。
マヌケな表情やセリフと猟奇的な戦闘シーンの落差が癖になります。ヤバイかな
とにかく一撃必殺隊が薩摩藩士を殺しまくるという展開なのですが、「伊牟田(いむた)」という剛力の薩摩藩士の反撃にあい、丑五郎はピンチとなります。
というところで1巻終了です。
身分に苦しむ百姓たち
この漫画のキーはずばり身分です。
主人公含め百姓たちは、侍の理不尽にも泣き寝入りせざるをえないなど苦しんでいます。
出典:いちげき 1巻より
手打ちに致しちゃうぞ💛
だからこそ、「侍になれる」という条件に飛びついて「一撃必殺隊」の隊士になるのです。
1巻の感想と2巻以降
身分によって苦しむ百姓の丑五郎が、侍となり幕末の騒乱で活躍する爽快な物語かと思って読み始めました。
2020年5月時点で最新刊の6巻まで読みましたが、この考えはとんでもない間違いでしたw
でもメチャクチャ面白いです。
画力の高さは既に紹介した通りですが、一癖も二癖もあるキャラクターが次々と登場し、そのキャラクターの心の変化や葛藤などの描き方も素晴らしく、とにかくレベルが高い大人の漫画です。
ぶっちゃけ鬱漫画なのですが、殺人衝動がない人には是非読んでほしい漫画です。
ちなみに2018年12月の記事で映画化企画進行中!と出てきます。
詳しいことはわかりませんがそちらも楽しみです。